ムツゴロウスキル
我が家の猫は非常に警戒心が強い。
痩せた子猫が大通り沿いのコンビニの脇に何時間も座っていたので、周りに親兄弟がいない事を確認して保護を決めた。が、警戒心が強くて捕まえるのに一苦労。
家に連れて帰ると今度は狭くて暗い場所を求め、洗濯機の下から一向に出てこない。
すると、急に夫が「ムツゴロウスキル発動!」と大きな声を出して、廊下やらキッチンやらで転がり始めた。人間モップ、やめてくれ、と冷ややかな目で見ていたら……
出てきた。
すごいぞ!ムツゴロウスキル!
この保護初日の行動が猫にとっての我が家のカーストを決めたようだ。
夫=お母さん > 猫&私=兄弟
私の立ち位置は兄弟なので、じゃれつき方が半端じゃない。首を狙われた時には命の危険さえ感じた。甘える時でさえ加減を知らないので手足が傷だらけだ。今更ムツゴロウスキルを発動しても遅い。というか、ムツゴロウスキルって何ですのん?笑
3年経った今でも、猫は夫の膝の上で手をグーパーしながらふみふみしている。
心底羨ましい。
愛情をたっぷり注いで、お世話しているのは私なのに何故!?
まぁ、薄々気付いてはいるが、おそらくこの思考がいけないのだ。
ムツゴロウさんは言った。
犬と向き合う時は犬になりたい。
象と向き合う時は象になりたい。
その気になって接しても動物には見抜かれてしまうだろう。本気でなくては。
天才、奇才、変人…ムツゴロウさんみたいな人はムツゴロウさんしかいない。
破天荒な生き方も含め、ムツゴロウさんが大好きだ。ご冥福をお祈りいたします。
心からのありがとうと共に。