未来の自分を想像しよう

仕事が一段落して一息つきたいところで、友人から電話が掛かってきた。

リモートワーク中の彼女は息抜きをするため、『おやつの時間』になるとたまに電話をくれる。私が暇人である事を前提に。残念ながら今日の私は珍しく暇人ではなかったが、タイミングはちょうど良かった。

『おやつの時間』は意外と長い。近況や他愛も無い話から始まり、自分達の将来の展望を語り合う。夢のような話で盛り上がり、現実的なところで落ち着くのがいつものパターンだ。今日も同じように互いの日常の笑い話から始まって、将来についての話題へ。

彼女は資格を生かした仕事をしている。とは言っても、あと10年足らずで定年を迎え、その先も同じ仕事を同じ量こなす事は不可能だとして、今から平行して趣味を商売に繋げる方法を考え中との事だった。絶賛働き方を模索中の私と、環境は違えど似た部分のあるお悩み、話を聞こうではないか。

美味しい物を食べるのが大好きな彼女は、美味しい物を作るのも好きだ。その趣味と特技を生かしたいと言う。お菓子のネット販売を思い付いたものの、菓子製造営業許可や食品衛生責任者資格などが必要と知ってから何も先に進まなくなったらしい。食品衛生責任者の資格は簡単に取得できるけれど、営業許可の方は確かに厄介だ。

確かに彼女の作る料理やお菓子は美味しい。では、今のうちから「売るつもりで作る」を意識する事から始めてみては?という事になった。実際に「売るつもり」になると気付く事は多い。今まで以上に素材にも気を使うだろう。それなりの単価で販売したいのなら尚更だ。そして、すでにある菓子販売の小さなネットショップも覗いてみるといい。そのお店を見つけるまでの道順も忘れずに。単に検索をかけただけなのか、マーケットアプリから辿り着いたのかは、自分のショップを作る時の参考になる。お菓子を作ること以外にもやらねばならない事や学ぶ事が山ほどあるのだ。

働きながら出来る事には限りがある。準備が8割。できる事からコツコツと。

とにかく私に試食を!と言うと、快くOKしてくれた。

忖度の無い感想を述べるつもりだ。

子供の頃に思い描いた『就きたい職業』とは違う『将来の夢』。それは「何をしていたいか」なのかもしれない。

定年後の自分を思い描く友人の話を聞きながら、自分の事も考えてみた。

思えば、20代の頃の私は30代の自分のためにできることを意識していた。そのおかげか30代前半はすこぶる調子が良かったのに、後半では人生計画が狂い自分を見失っていたと自覚している。そのまま何も考えずに(考えてはいたけど実行せずに)40代に突入し、現在の私は常に何かが足りないと感じている状態にある。こうありたいという自分を具体的に想像し、50代の自分のためにできることを考え、行動しなくてはいけない。

自分の未来がいつまで続くのかは誰にもわからないけれど、未来の自分を作るのは今の自分なのだから。

 

そしてもう一つ、友人から相談が。

多肉植物が伸び伸びで全然可愛くないんだけど、どうしたらいい?というものだった。アドバイスと共に、試食のお菓子の代わりに売るほど増殖中の多肉植物を送るよ、と言ったらハッキリ断られた。育ててみて分かったけど、そんなに好きじゃないみたい。だって。

えぇー、そんなぁ。

スケスケ多肉だよって伝えたのに全く興味を持ってもらえなかった。

子だくさんハオルチア。そろそろ子株を外さなくては。

こんなに綺麗なのに残念だなー。「好き」は人それぞれ。難しい。